20年近くスポーツ小説を書いてきた人間にとって最大のチャンス、東京オリンピックがやってきます。延期にはなりましたが、スポーツも小説も、人に「力」を与えてくれます。開催に向けて再び関心が高まっていく中、4冊の小説でスポーツが内包する様々な要素を描き出していきます。どうぞこの機会に、観るだけではなく、「読みながら」スポーツについて一緒に考えてみませんか。――堂場瞬一

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2020年3月 マラソン
『チームIII』書影

『チームIII』実業之日本社

初マラソン日本歴代2位、2度目のマラソンで日本記録に迫るタイムを叩き出した新星・日向誠。しかし突然スランプに陥り、東京オリンピックへの出場が危ぶまれる。若きランナーを助けるために、「あのお節介な連中」が再び動き出した。

2020年3月 スポーツ中継
『空の声』書影

『空の声』文藝春秋

敗戦後初めて日本が参加したヘルシンキオリンピックに派遣された、人気アナウンサー和田信賢。無頼な生き方を貫いた男は病魔と戦いながら、「オリンピックを中継したい」という夢のために奮闘する。実話を元にした、日本スポーツ界復興の裏側。

2020年5月 ラグビー・円盤投げ
『ダブル・トライ』書影

『ダブル・トライ』講談社

神崎真守は、7人制ラグビーの日本代表として活躍しながら、円盤投でも日本記録に肉薄した成績を残し、2種目でのオリンピック出場を期待される。不可能かと思われる彼の挑戦──その背後で、スポーツビジネスに全力を捧げる男たちの思惑とは。

2020年6月 野球
『ホーム』書影

『ホーム』集英社

デビュー作『8年』の実に19年ぶりの続編。オリンピック野球アメリカ代表の監督が、元日本人大リーガーの藤原雄大に任された。日米二重国籍を持ち、どちらの代表に入るか悩む若き天才バッターの苦悩とともに、金メダルを目指す米チームを描く。

Profile

堂場瞬一
1963年生まれ。青山学院大学国際政治経済学部卒業。2000年『8年』で第13回小説すばる新人賞を受賞し、デビュー。警察小説とスポーツ小説の両ジャンルを軸に、意欲的に多数の作品を発表している。