名言集

『謀略 警視庁追跡捜査係』刊行記念特集 堂場瞬一の世界 ファンと書店員からの堂場瞬一Q&A「ランティエ」2012年2月号

デビューから10年、次なる10年をどう歩むのか、というタイミングで、その本を数多く売ってきた書店員と、愛読してきた数多くの読者の質問に、著者自身が熱く答える!(所属などはすべて当時のものです)

Q.「警視庁追跡捜査係」を生み出すきっかけ、アイデアがありましたらお教えいただけますでしょうか?/40代男性読者
A.そもそもは、モジュラー型(複数の事件が入り混じり、それぞれ関係してくるようなミステリですね)の勉強として書き始めました。そのためには、発生した直後の事件を追いかけるのではなく、過去の事件を題材に取る方が動かしやすい、という計算です。ただし今後は、この方式にこだわらず書いていく予定です。モジュラー型は、しばしばパターン化するか、ただ驚かすだけの話になってしまいがちですので。

Q.物語の舞台になる街をどのように決めているのでしょうか? 読者としては知っている地名・場所が書かれていると嬉しいので、是非成城を舞台にして欲しいです。/東武ブックス池袋北店 山下義一さん
A.その時の気分ですが、このシリーズでは東京の街をリアルに描いていくのも狙いですので、気まぐれにあちこちをよく歩いて、舞台を探しています。成城は、書いてみたい街の一つです。生臭い事件は、あまり似合わないと思いますが。

Q.「警視庁追跡捜査係」を書くにあたって、どんなことを調べたり、資料はどういったものを使ったのでしょうか?/丸善ラゾーナ川崎店 木村さん
A.ネタは新聞記事から思いつくことが多いです。趣味の一つが新聞を読むことですし、Aという事件とBという事件が同じページに並んでいて、それがくっついたり離れたりして発想につながることがあります。あとは、ひたすら街を歩いて現場の匂いを嗅ぐことでしょうか。

Q.「警視庁追跡捜査係」では沖田・西川がTVドラマの「相棒」のようにコンビを組んでいます。コンビ物は人気があるようですが、10年後はどうなっているか気になります。出世したりとかコンビのまま続いて欲しい(質問というよりお願いでした)。/30代男性読者
A.難しいですよね。堂場は「リアル派」なので、シリーズ途中でも異動などを考えなくてはいけませんし。ただ、二人の場合は、他の部署から煙たがられているので、しばらくは追跡捜査係でコンビを組み続けてくれるのではないでしょうか。

Q.響子さんとさやかさんどちらが好みですか。/文教堂書店浜松町店 大浪由華子さん
A.なぜか、好みのタイプの女性は小説に出てきません(笑)。理由は……自分でも不明です。

Q.「交錯」は、ラストシーンがすごく映像的で、しかもこういうオチだったのかぁ、と感心してしまったのですが、最初から終わり方を決めて書いていますか? それとも途中から思いついたのでしょうか。/ジュンク堂書店池袋本店 小泉さん
A.「交錯」については、最初から頭にありました。連載ですので、終わりが決まっていないと途中で無茶苦茶になってしまいますしね。だいたい、エンディングが頭にある方が、スムーズに書けるようです。

Q.鳴沢了シリーズは11作、高城賢吾シリーズは7作、沖田・西川シリーズは何作くらいを考えていますか?/東武ブックス池袋北店 山下義一さん
A.行けるところまで。鳴沢や高城のシリーズと違って、敢えて1冊ずつが独立した構造にしていますので(人のつながりはありますが)、逆に言えばどこまでも続けていけるのです。

Q.沖田はいつ結婚するのでしょうか?/三省堂書店成城店 伏見さん
A.作者としては、今のところ、何だか結婚できない気配を感じているのですが、どうしましょう? 基本、明らかに独身タイプの男ですよね。

Q.先生の良い男、良い女とはどんな人のことをいいますか?/丸善ラゾーナ川崎店 木村さん
A.小説的には、きちんと自分を持っていて、しかもそれを言葉なり態度なりではっきりと表せる人。そういう登場人物がいないと、小説は上手く転がりません。ただ、実生活ではどうかな……自分を持っているのはいいけど、表現は少し控え目がありがたい。堂場の本の登場人物みたいな人が周りにいたら、すごく嫌です(笑)。

Q.いろいろなスポーツ小説をお書きになっていますが、一番好きなスポーツはなんですか?(観戦でも実践でも)/八重洲ブックセンター八重洲本店 内田さん
A.ラグビーですが、小説の素材としてはちょっと……というのが悲しいですね。そんなにマイナーでもないはずなのですが。

Q.もう一つ別のジャンルの小説を書いて欲しい、と言われたらどんな分野を選びますか?/ジュンク堂書店池袋本店 小泉さん
A.これはもう、頭の中にあります。50代になったら手をつけようと思っていますが、内容はまだナイショで。ジャンルは……説明しにくいですね。

Q.書いていて「これは売れる……!」みたいな手ごたえを感じることはありますか?/ジュンク堂書店池袋本店 小泉さん
A.「突き抜けた」手ごたえを感じることはありますが、「売れる」方にはアンテナが動きません。それが分かっていれば、もっと売れる本を書いていると思います(笑)。

Q.一番好きな海外の小説を3点あげるとすれば?/八重洲ブックセンター八重洲本店 内田さん
A.今の気分でいきます。①『シマロン・ローズ』ジェイムズ・リー・バーク(これは常にオールタイムベストのハードボイルド)②『遥かなるセントラルパーク』トム・マクナブ(アメリカ大陸横断ウルトラマラソンのお話。群像劇のお手本)③『特捜部Q』ユッシ・エーズラ・オールスン(2011年のお気に入りです)。

Q.書店でご自分の本が並んでいるかチェックされることはありますか?/八重洲ブックセンター八重洲本店 内田さん
A.よく見ています。というより、書店を回るのも趣味なので、自然に目に入ってきます。目立つところでお願いします(笑)。

Q.魅力的な職業はなんですか?/丸善ラゾーナ川崎店 木村さん
A.やっぱり、作家。もちろん、世の中には魅力的な職業が多々あるのですが、自分に合う物、という意味で。そうでなければ、海外ミステリ専門の書評家でしょうか。あ、これももうやってるか。ということは、堂場は現状肯定派ということになるんでしょうか。

Q.作品を書く上で大切にしていることはなんでしょう?/30代女性読者
A.どんでん返しに頼らない(最近、みんなこれだし、堂場は読むのも書くのも好きではないので)。むしろ、それなしでも読んでもらえるようなパワーをこめたいです。

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